ダンジョン飯の13巻と最終巻14巻が同時発売し、完結しました。
なんだかんだ1巻からずっと追いかけてきていたので、またひとつ追いかける漫画が減ったな…という感傷を感じています。
1巻、2015年なので8年も追いかけてたんですね。長かったような、短かったような。
13巻、ラストバトルも食うか食われるか
欲望食べたいおじさん、欲望食べられる
スーパー欲望食べたいおじさんである翼獅子くん、結局のところ「欲望を食べたい」という食欲を食われることで落ち着きました。
まあ、それ自体はバトルの流れからしてそういうオチにしかならんやろなーという話ではあり、意外性があるような話ではないです。
ただ、本作のテーマが「食」(食欲?)である以上、それ以外ない着地ですね。納得。
結果オーライが過ぎるライオスくん
尚、基本的に結果オーライ気味なのも、ライオスくんの実力を鑑みるとそうでしょうという感じ。
また、ライオスくん、「結果的に夢が叶って良かったですね」という話でもありました。
ただ、読者としてはちょっと尺が長めand魔物の生態関係ないラストバトルが面白かったかというと結構微妙ではありました。
まあ、漫画のラストバトルはラスボスが強すぎるので、得てして面白くないものではあり、仕方がないですね。
最終巻はどっちかというと、イヅツミがメイン
食べたくないものは食べないからの変化
最終巻はイヅツミに焦点が当たりました。
ライオスとマルシルの願望は解消され、チルチャックは元々大した願望はなく、センシも過去のトラウマ解消済みです。
となると、イヅツミしか残っていないのでそれはそうなりますね。
本作で数少ないスーパー偏食マンであり、欲に忠実なイヅツミくん。
これまで嫌いなものは食わねぇ!の姿勢を貫いてきたわけですが、自分の欲に周囲の人が関係してくる以上、生きていくためには自分の欲の赴くまま行動しているだけでは難しいことに気づきます。
子どものマインドから大人のマインドへの脱却ですが、それが冒険の中における人との関係性から得られた成長というのは、それはそれでグッとくるものがありますね。
欲望の全ては叶えられないが、その中から選ぶことはできる
すでに大人なぼくらも、「なんでこんなことやらんといかんのやろな」と思いながら、日々やりたいこととやりたくないことをあい混ぜにしながら生きているわけです。
そんな中で、「やりたくないこともやらんといかんこともある」とあのイヅツミに言われちゃうと「それもそうよなー」という気持ちにさせられます。
ただ、イヅツミの「やりたくないこともやらんといかんこともある」はポジティブな意味合いであり、「自分の欲を満たすためには」という補足付きなんですよね。
「だらけたい、うまい飯をくいたい、楽しいことだけやりたい」といった欲のうち、どの欲を満たすために、どれを諦めるのかという選択です。
ともすると、なんとなく「生きるためにやりたくないこと(仕事)をしている」というメンタルになりがちなところではありますが、自分の欲が先にあって、その上で峻別が存在するという考え方で生きていきたいものです。
全体
というわけで、最終巻のざっくりとした感想でした。
13巻は言うとアレですが、割とグダっとした感じだったのに対し、14巻は本作の総括的な巻で同時発売で一気に読ませたのは作品として正解だったのではないかなーなどと感じたりしていました。
「魔物を食う」という題材の新鮮さや面白みが中々続きづらい部分があったので、全14巻は少し長い感じはありましたが、全体を通じて面白い作品で、着地も綺麗にまとまって良かったですね。(その点、ミスルン隊長は結果的に良いテコ入れでした。みんな大好き位置交換能力キャラ!)
次に追いかける作品を探さねばなー。とりあえずデイドリームアワー買わなきゃな。