「ガンバ!Fly high」って昔からあんまり話題にならない作品よな…、などと思っておったのですが、サンデーうぇぶりで全巻無料キャンペーンをやっており、ガッと久しぶりに読み返したので簡単に感想を残しておきます。
かの内村航平の尊敬する体操選手が当作品の主人公だったり、体操漫画の金字塔的な立ち位置なのですが、体操漫画自体が手に取る機会が少ないということですかねぇ(ぼくはこの漫画で体操の大枠を知りましたが…)
名作とはいえ、古さは否めないので、序盤は正直しんどい
「ガンバ!Fly high」、言っても古い作品ではあるので、特に序盤のノリは今読んでも(当時でもちょいしんどかったですが)キツいものがあります。
はじめの一歩なんかもそうですが、主人公がスポーツに成熟していく過程って実際はそんなに面白くないんですよね…。そこに昭和の少年漫画の外連味が加わると、ウッとなってしまいます。中盤以降は外連味よりも面白味が増すんですが…。
(もちろん、その過程がない作品はそれはそれで問題なのですが、「初心者を脱却して、急成長していく」みたいなところがやはり面白いわけで)
全日本ジュニア種目別選手権編ぐらいからの胸熱展開は好き
ただ、3バカトリオも含めてキャラクターの得意種目が明確になり、ライバルキャラも出てきて…という中の展開はやっぱ面白いですね。
「楽しい体操」というコンセプトが一貫しているのも好きですわ。スポーツ漫画で「勝敗」と「充実」のどちらに重点を置くかは命題ではあるのですが、この作品は非常に明快なんですよねー。
まあ、今読むと起伏の作り方がかなり無理やりではありますし、暴力も多すぎでまともな大人がほとんど出てこない(アンドレアノフコーチぐらいでは…?)のが問題ではあるのですが、体操を通じて自分の課題に踏ん切りをつけていく流れは面白いんですよねぇ。
李軍団の嵯峨くんが3バカの東を鼓舞するためにそれまでのヒール側の「勝つための演技」を捨てるシーンとか、みんなが好きなやつー!!!って感じです。
(しかし、現代のコンプラ意識からは許されない展開が普通に受け入れられていたあたり、人間社会って成熟してるな…と思いますね。古い作品を読む際にどうしても障害になるのですが、まあ、そこは割り切って受け入れるしか…って感じです)
女性キャラ可愛いんよな…
あと、「ガンバ!Fry high」のいいところとしては、女性キャラ(折笠先輩とか、相良さんとか…)のデザインや性格がすごく可愛いんですよね。今読んでも十分耐えうる(見た目的な)可愛さがあるのは素晴らしいです。
一方で、古い作品にありがちな過度なセクシー描写みたいなものもあるにせよ、多すぎない程度なのは読みやすいところです。(いや、そこまでやられていると、ほかの前時代的な描写も多いので、読んでられないような気もしますが…)
古いけど、終盤の展開を定期的に読みたくなっちゃうんだよね…
中学生編からは想像できないぐらいハイレベルに成長した真田先輩とか内田先輩の活躍が見られる後半は何度擦ってもいいんですよねぇ。どちらかというと、藤巻や堀田が天才キャラなので、真田先輩や内田先輩の方に凡人は感情移入してしまうところです。
(コーチが良くて努力を重ねたとはいえ、全日本トップクラスのオールラウンドプレーヤーに成長した真田先輩や跳馬のトッププレイヤーとなった内田先輩は相当な天才側ではあるのですが)
作品の雰囲気が全体的に古くて令和的な価値観からは「そうはならんやろ…」というシーンが多い問題はあるにせよ、「平成学園」という枠を飛び出した後のアジア大会とかシドニー五輪編とかはアツいシーンが多いので定期的に読み返したくなります。
たぶん、また何年か経ったタイミングで読みたくなるんやろなぁ…。