teke teke my life 読書記録置き場

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らーめん再遊記12巻の感想(ネタバレあり)

らーめん再遊記の最新刊をようやく読んだので、簡単に感想を記録しておきます。

らーめん炎志編、根幹の要素自体は面白かったのですが、途中も含めてあまりにも雑味が多すぎて若干うーん…って巻でしたね。鶏油入れすぎでは?まあ、こういう巻もあるシリーズなんだけど…

らーめん炎志編、全体的に雑…

12巻は社長が急逝してしまったラーメンチェーンの跡継ぎ争いの話が展開されます。

導入は芹沢が手放しで好感を寄せる人物が出てくるなど、面白味があるのですが、三兄弟の適当なネーミング、適当な跡目争い勝負の描写、ちょっと偏りすぎなアルバイト採用の目線など、途中経過が全体的に雑でかなり読むのが厳しい感じです。

まあ、適当なネーミングもそうですし、適当な跡目争い勝負の描写も含めて、故社長の雑さ、裏の面を強調する装置なんだとは思いますが、それはそれとして、あまりにも雑すぎてちょっと読むのがしんどい…。

結末自体は好きかな

一方で、結末に向けての流れ自体はベタながらも少し面白いとは感じられてしまいました。

後継者がクソ親父に反発を抱きつつも、「それはそれとして、自分が死んだあとに自分が築き上げてきた会社が傾くのは嫌だ」という率直な発言に納得してしまう流れとかはかなり好きですねー。

また、「らーめん炎志」がなぜ生き延びてきたのか?という回答が「経営者の経営手腕」というのもオチとしては納得性があり良かったですねぇ。

また、芹沢さんにも外に見せていない本音の顔があるように、故杉井前社長にも裏の顔があって、とはいえそれとは関係なく、ビジネスライクな付き合いの上で、お互いに本心からとても好ましく思っていたことが示されたのも良かったですね。

「腹を割ってすべてを話せる相手」は素晴らしいですが、「少ない接点の中でお互いに好ましく思い、尊重しあう相手」というのも、また素晴らしいものではあり、一線を越えないことで成立している大人の関係というのはあるものですよね…。

女性キャラのクセの強い描写は相変わらずだが、好きじゃないな…

ただ、結末で故前社長の妻が豹変してクセの強いキャラになったり、跡目争いイベントの司会の女性のクセが強かったりするのはだいぶ好ましくなかったです。

いや、らーめん才遊記でそういう準メインの女性キャラもいたりしたので、別に驚きはないのですが、クセの強いキャラクターを出すのはいいんですけど、それが漫画の面白さに一切貢献していないので、本当に苦手なんですよね…。

既に芹沢さんとか強いキャラクタがいるのだから、適当なモブキャラクタのキャラを強くする必要ないと思うのですが…。

(まあ、男性のクセが強いキャラクターも好きではないのですが…)

まあ、ああいうキャラクタを好む方も読者にはいらっしゃって、面白がるからこそ入れているのかもしれないので、あくまでぼくは好きじゃない要素、というだけですが。

雑味が強すぎた巻

トータル、12巻は導入や結末でぽつぽつと良いコマはあったのですが、雑味が全体的に多くてちょっとしんどい回ではありましたね。

根幹の要素は悪くなかったのに、周辺を取り巻くものや描き方で面白さが損なわれている感じがあります。

もともと「らーめん再遊記」自体、雑味が多すぎて食えない回から、そこも含めて整っている回まである作品なので、それはそれでよいのですが…。

このレベルの話が続くようであれば続刊は買わないかもなぁ…。