ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話(5-8)/横田卓馬
続刊も含めて購入して最新刊まで読了しました。
5巻の展開が素晴らしい…
恋愛のステージは急に進む
4巻までの展開からは想像していなかった急転直下の展開が5巻であり、さすが横田先生!!!となりました。「背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~」の3巻の学園祭のようなパワーを感じましたわ。
そのあとの展開も見事で、読者が辟易としないうちに、キャラクタの「らしさ」を失わないまま、恋愛のその先のステージに行くのは非常に良いですね。
誇張されたキャラクタの素の姿の愛おしさよ
「ラブロマ」のホシノくんもそうなのですが、極端にユニークに誇張されて表現されたキャラクタが見せる普通の感情のシーンは、不思議とそのキャラクタの素の部分を見せられた気がさせられて、グッとくるところがあります。
実際、ヒロインは主人公の「意外と普通に照れている姿」を見て愛おしさを覚えるのですが、何故か感情移入させられてしまいます。
そら、あの顔を見せられたら、ああなりますわな、という納得感がすごいですね。
低スペック男子と付き合って本当に幸せになれるのか
つい、大人になるとその人と付き合ったり結婚したりするメリットデメリットとして、スペックのようなところを中心に頭が働いてしまったりします。
スペックとか性的魅力ばかりではないんですが、やっぱ将来を考えるとなー、この主人公ではなー、と読んでいて思わなくもなかったのですが、5巻を読んで、この二人なら幸せになれそうやな、と感じられたの良かったですね。
やっぱ、気が合って最終的に愛おしい存在であるか、というのが、フラットな状態では重要なのかなーと思っちゃったりしましたよ。
(まあ、学生を超えるとなかなかそうはいかないんですけど)
オマケ漫画も含めて、5巻は「もうこれで完結でいいんじゃないか」という感じの大トロの部分が詰まった感でした。いやー、良かったです。
6~8巻は5巻ほどのパワーはないが、5巻までだけでも読む価値あり
6巻以降は若干パワーダウン
6巻~7巻の学園祭編は不純異性交遊に絡めて少しすれ違いをしたりするのですが、少しばかりパワー不足な感じで、5巻の強さから期待すると、今一歩感はなくもないです。
会長と副会長の関係性は非常に良いなーと思うのですが、扮装した会長を副会長が恋慕する構図をここまで引っ張られると、「さすがに気が付くやろ…」という気持ちになってしまうのが難ですね。
オチ要因としての月島くんの強さよ
ただ、月島君がちゃんとオチ要因としてテンポを整えてくれるので、面白くは読めます。
8巻も含めて、月島くんがオチ要因かつツッコミ要因として優秀過ぎますね…。
正直、現時点で6巻以降は5巻の後日談に近いレベルなので、6~8巻まで購入する必要性をあまり感じないのですが、1巻~5巻までであれば秀逸な出来の作品です。
「背すじをピンと!」の学園祭までは最高だったナァと記憶しているような方は、ぜひとりあえず5巻まで読んで欲しいところです。